2017/02/10

入門編⑥ 第4章「損しないために分析力を身につける。利益・経費のコントロール」

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2016年12月に開催しました、不動産投資塾の入門編です。不動産投資について基礎から学べる内容です。全8回に渡って公開いたします。

あなたはこれから不動産投資を始めようという方でしょうか?でしたら、ぜひこの記事からご覧下さい。全て見終わる頃には、不動産投資の基礎から、絶対に外せない重要なポイントまで、しっかりと把握できるでしょう。

不動産投資は、どうしても学び始めでつまづきやすいのが、皆さんの悩みです。ご自分で本を買って読もうにも、どの本を読んだらいいかということから悩みますよね。また、実際読み始めてみたはいいけど、専門的な言葉や内容が多くて、理解するのも一苦労、とよくお聞きします。

ぜひ、まずこの動画と記事をご覧になってみてください。不動産投資の基礎の書籍にして、1、2冊分のボリュームの内容をわかりやすくまとめています。

動画と記事を合わせてご覧いただけると、より理解が進むと思います。ですが、お時間のない方は、セミナー内容をわかりやすくまとめた記事の方をざっと読んでみてください。全体の内容を把握していただけると思います。

数字が苦手、法律なんて知らない、難しい話はわからない、、、。大丈夫です、最初は誰だってあなたと同じです。もし、一通り動画や記事に目を通して、よくわからなければ、2回、3回と繰り返してみてください。そうすれば、不動産投資の雰囲気に慣れることができます。数字の話、法律の話、土地の話、物件の話、、、細かく理解するのは後でいいのです。一番スムーズに学んでいただくには、何事もそうですが、まずはその世界に慣れて、あなたのハードルを下げること。

この動画、記事を何度も繰り返し目を通してみてください。

その後に、書店で売られている不動産投資関連の書籍もどんどん読んでみてください。ストレスなく理解できるようになっていると思います。

 

動画はこちら↓

 

 

 

分析する

続いて、第4章「分析する」というテーマでお話ししていこうと思います。

ここは、僕が最も好きなテーマです。

 

 

分析方法

不動産を分析するときには、大きく3つの方法があります。順番に見ていきます。

 

①利回り分析

「表面利回り」と「実質利回り」の違いに注意!

まず、利回りです。利回りは大きく分けると、「表面利回り」と「実質利回り」があります。

●表面利回りとは、単純に家賃収入を物件価格で割ったものです。

●実質利回りとは、まず家賃収入から必要な経費を抜きます。それを、必要な経費を物件価格に足したもので割ったものです。必要な経費というのは、例えば、清掃費用、エレベーターの管理費用、固定資産税などです。

 

表面利回りと実質利回りを比べると、表面利回りの方が高くなります。実は、たいていの不動産屋さんが「利回り」と言っているものは、表面利回りのことなんですね。確かに、表面利回りが高くなれば、実質利回りも高くなります。ですが、大事なのは実質利回りがどれくらいあるか、ということです。

基準としては、実質利回りで10%超だといい物件だな、という感じです。表面利回りが10%でもダメということですね。

自分なりの「利回りの基準指標」を持つとよい

基本的には、利回りは高いほどよいです。ですが、物件の構造や地域によって、どれくらい利回りがあったらいい物件なのか、というのが変わってきます。なので、あなた自身の基準指標を持つ、というのが大切です。

空室物件は利回りが高く買える傾向がある

空室物件は、利回り高く買うことができる傾向があります。

ですが、一番楽なのは入居者がついてる状態の物件です。物件情報を見てみると、「想定利回り」と書いてあるものが結構あります。想定利回りというのは、不動産屋さんが「あくまでこれくらいの家賃で入居を埋めれるでしょう」と言っているだけのもので、あまりあてになりません。想定利回りのいい空室物件を買ってみたものの、実際に募集してみると、その値段では入居付けができない、なんてこともあります。なので、入居者がついてる物件の方が楽と言えます。

自分が募集するときにいくらの家賃設定になるかをしっかり見積もる

大事なのは、購入前からの入居者さんが抜けたときに、どれくらいの家賃で新たに募集できるかを見ておくことです。

近隣を調べてみると、同じような物件がもっと安い賃料で出ているかもしれません。また、中には悪意のあるケースもあります。前の所有者の差し金で、高い値段で賃貸契約を結んでいる人を意図的に置いておいて、売却してから3ヶ月くらいで入居者が出ていってしまう、というようなケースです。しっかり気をつけていただきたいと思います。

河上の実例で見てみよう:区分所有の場合

これは、僕が最初に買った物件です。1991年築の2LDKで、区分所有です。

物件価格は530万円ですが、他にも費用がかかります。仲介手数料は、物件価格の3%+6万円です。また、登記費用として、登録免許税と司法書士に払う手数料がかかります。取得税は、物件を購入して3ヶ月から半年後の忘れた頃にやってきます。高い物件になると1つ500万円というような請求がくるので、注意が必要です。これらの費用を合計すると、物件価格の8〜10%と言われています。

また、管理費・修繕積立費の両方を合わせると毎月2万円ほどかかります。固定資産税は1年間で8万4000円です。家賃は月8万円なので、それらを引くと、年55万円ほどの手残りとなります。

利回りはどうでしょうか。まず、表面利回りは、家賃1月8万円×12ヶ月=1年96万円を、物件価格の530万円で割ると、18.1%となります。次に、実質利回りは、家賃から管理費・修繕積立費・固定資産税を引いた1年55万円を、購入価格に諸経費を入れた580万円で割ると、9.55%となります。表面利回りと実質利回りで数字がかなり変わってくることがわかると思います。特に区分所有だと、管理費・修繕積立費が高くなるので、このように差が大きくなります。

実質利回りで9.55%は、なかなかいい物件だと言えます。

河上の実例で見てみよう:1棟ものの場合

これは、僕が2008年に1棟購入したものです。1999年築の鉄筋コンクリート造りです。物件価格が8509万円で、諸経費が700万円ほどです。自己資金が1200万円くらいで、8000万円のローンを20年で組みました。月々の返済額は、39万円ほどです。

家賃は、1月105万円×12ヶ月=1年1260万円です。諸経費は、エレベーターの管理、定期清掃、共有部分の電気代、ちょっとしたリフォーム代などを含んでいます。固定資産税は段々と減っていきましたが、100万円ほどです。

1年間のキャッシュフローは大体550万円です。ここから所得税がかかりますが、まだ多くはありません。家賃が1200万円だったとしても、減価償却が引かれるので、1200万円所得が増えるというわけではないからです。なので、初めのうちはそんなに税金を気にしなくていいと思います。ただ、所有物件が増えてくると税金との戦いになってくるので、税金の勉強もする必要があります。

表面利回りは、家賃1260万円を、購入価格8500万円で割ると、14.92%となります。実質利回りは、10.7%となります。築10年の鉄骨造りということを考えると、最高のお買い物だと言えます。

「投資利回り」とは、自己資金の回収率

もう一つの指標として、「投資利回り」というものがあります。投資利回りは、自己資金の回収率のことです。例えば、自己資金を1000万円投入して、キャッシュフローとして年間500万円残るとすると、その投資利回りは、キャッシュフロー500万円÷自己資金1000万円=50%となります。2年経つと、最初に投入した自己資金分が丸々残るということです。

初めの頃は、お金をどう残していくか、貯めたお金で次の物件をどう買うかということを考える必要があるので、投資利回りを考えるのもいいと思います。

ですが、今は僕は投資利回りは計算していません。というのも、今はほぼフルローンで買っているので、自己資金が0になってしまうからです。そうすると、投資利回りは無限大になってしまいます。

 

●キャッシュフロー分析

次はキャッシュフロー分析です。税金の話が入ってくるので、少しややこしいです。

会計上の利益

まず、会計上の利益についてです。

会計上の利益というのは、税務署に報告するものですが、これはキャッシュフローとは異なります。

注意しなくてはいけないのは、

●減価償却費

●返済の金利・元本

です。

「減価償却費」というルールに注意

減価償却費というのは、長期的に使用される固定資産に関するものです。そういう資産は消耗品ではないので、一括計上できません。長期間に渡って費用配分する必要があるんですね。不動産の場合だと、建物がそれに当たります。土地は減価償却しません。

例えば僕が購入した8500万円の物件ですが、建物の値段はその内6000万円でした。鉄骨造りの物件で、築10年でした。鉄骨造りの償却期間は30年です。つまり、ざっくり言うと、残りの20年で、1年に、6000万円÷20年=300万円ずつ費用計上しなければならない、ということです。お金を支払うのは購入するタイミングですが、経費として参入できるのは毎年300万円ずつということです。

償却の期間は構造によって違います。耐用年数によって変わってくるということです。鉄筋コンクリートで47年、木造で22年です。鉄骨については、軽量と重量というのがあり少し異なりますが、大体30年と考えてください。

返済の元本・利息の計算

返済の元本と利息に注意してください。

返済利息は経費参入できますが、元本は経費に計上できません。それは、元本というのは、経費・税金を払った上での利益を返済してください、というものだからです。

河上の実例で見てみよう:キャッシュフロー分析の仕方

この物件は僕が2008年に購入した物件です。1年に1260万円の家賃収入があり、諸経費は1年で大体100万円かかりました。固定資産税も大体100万円です。

 

■返済の元本・利息の計算

 

この物件だと、返済500万円の内、利息160万円、元本340万円でした。そうすると、利息の160万円分は経費に計上できますが、元本の340万円分は計上できません。

 

■減価償却費の計算

この物件が、先ほど減価償却費の説明のときに具体例でお話しした物件です。なので、減価償却費として経費に計上できるのは、1年に300万円となります。

■会計上の利益の合計

ここで、会計上の利益をまとめてみます。

1年に経費計上できるのは、

・諸経費100万円

・固定資産税100万円

・返済利息160万円

・減価償却費300万円

これらを合わせると、大体660万円となります。

これを、家賃収入1260万円から引くと、会計上の利益は、600万円となります。

 

■税金の計算

この会計上の利益の約30%が税金となります。つまり、180万円が税金となります。

■キャッシュフローの計算

では、キャッシュフローを見てみましょう。

家賃収入が1260万円あります。そこから、固定資産税100万円、諸経費100万円、返済500万円を引きます。

すると、税引き前のキャッシュフローは、560万円となります。さらに、税金を引くと、380万円となります。

税金について

所得税と法人税

収入にかかる税金についてです。

個人の収入の場合、所得税がかかります。これは累進課税という税制なので、所得が上がると税率も上がっていきます。例えば、900万円より多く収入があると、33%の税金がかかります。さらに収入が1800万円まで上がると、40%の税金がかかってきます。なので、お得なラインとしては、695万円あたりだと言えます。

一方、法人の収入の場合、法人税がかかります。これは、法人税率といって、800万円の収入で区切りがあって、それ以降はいくら稼いでも税率はあまり変わらなくなります。

 

給与所得控除、基礎控除、その他

収入に関しては、いろいろと控除があります。

まず、給与所得控除です。サラリーマンなどの給与所得者は給与所得控除があります。右の表をご覧ください。例えば、年収1000万円もらっているとすると、年収1000万円の10%+120万円で、220万円の控除を受けられます。

次に、基礎控除というものがあり、38万円の控除を受けられます。

他にも、扶養者一人あたりの控除など、いろいろあります。

でも、これらは年収1000万円くらいまではお得ですが、それを超えてくるとぐんぐんと税率が上がってしまいます。例えば僕の場合だと、物件を全て個人で持っていると、税金がとんでもない額になってしまい、全然お金が残らないということになってしまいます。そうならないように、法人化して、経費参入などで税金の対策をする、ということです。

はじめは税金についてはそんなに考えなくてもいいです。ですが、ゆくゆくは必要になってくる知識です。どんどん買い進めていくなら、どの時点で法人を設立するか考えなくてはいけません。この物件は何年もずっと保有するものか、はたまた短期で売却するものかによって、個人で買うか法人で買うかなど、いろいろと考える必要が出てきます。

河上の実例で見てみよう:節税対策

僕が購入した温泉旅館について見てみましょう。

これは今後売却益がかなり出る予定です。2億5000万円ほどで所有しましたが、すでに4億2000万円で買いたいというオファーが来ています。この額で売ってしまうととんでもない利益が出て、税金もとんでもない額になってしまいます。なので、別法人で購入した上で、その法人ごと売るということを計画しています。

法人ごと売るということは、株の売買ということになります。すると、僕が出資している法人の株価が上がって、その株の売却ということになるので、20%課税という税金で済むんです。

さらに、これは買う人にとってもお得です。この温泉旅館は固定資産評価で5億円くらいあります。5億円の物件を買うとなると、登録免許税と不動産取得税だけで2000万円〜3000万円ほどかかってしまうんです。ですが、不動産を所有している会社ごと移動させると、会社の持ち物ということは変わりません。買った人が新たに登記し直す必要がなくなります。なので、登録免許税・不動産取得税が浮くということです。

●価値分析

次は、価値分析です。

価値分析は、大きく分けると、

A:収益還元価値

B:積算価値

C:土地価値

 

があります。

A:収益還元価値

収益還元価値というのは、得られる利益を期待利回りで割り戻したものです。

僕の個人的な目線を上の表にまとめました。これだけ利回りがあったら買います、というラインです。これがバレると、僕がいくらくらいで入札するかバレてしまうかもしれませんが(笑)

例えば新築なら、木造で10%、鉄骨で9%、鉄筋コンクリートで9%という感じです。表をご覧いただければわかりますが、築年数が経つほど利回りは高くほしいです。

B:積算価値

積算価値というのは、不動産の価値の算定方法の一つです。土地の評価と建物の評価を単純に足し合わせたものです。

ただ、土地の評価にもいろいろとあります。

●時価というのは、実際に売買されている値段です。

●公示価格というのは、3月下旬に国交省から出る価格です。

●路線価は、公示価格の約8割に相当します。路線価については、次に詳しく見てみます。

●固定資産税評価は、公示価格の約7割に相当します。

 

■土地の評価:路線価

 

路線価は道路に対して土地の値段が付きます。ネットで調べることができるので、あなたの知っている場所で見てみてください。

例えば、右の図は、銀座の路線価です。赤線の土地は道路に面していて、1平米2360万円です。3.3をかけると1坪約7000万円の土地ということになります。

当然ですが、大通りに面している方が値段は高くなります。大通りと細い道路だと、面している土地の値段がかなり変わるのがわかると思います。この図だと3倍くらい違いますね。

■建物の評価

建物は、面積×再調達価格で評価します。

再調達価格というのは、耐用年数が経過した上で考えるものですが、大体建てる金額くらいに思っておいていいです。1平米あたり、木造なら15万円、鉄骨なら17万円、鉄筋コンクリートなら20万円くらいです。

 

C:土地価値

 

土地の値段も重要です。出口はたくさんあった方がいいというお話はしましたが、最終的に土地で売るという出口もあるんです。

土地価値というのは、土地評価から解体費用を引いたものです。この値段で買うことができると、最悪、建物を壊して売り抜けるということができるので、安全です。

解体費の目安は、1坪あたり、木造が3万円、鉄骨が4万円、RCが5万円です。ですが、構造が同じでも、高い建物の方が面積あたりの解体費は高くなります。もう一つ、アスベストには注意が必要です。アスベストがあると値段が跳ね上がります。1975年が境と言われていますが、それ以降の物件でもアスベストを使っていたりするので注意してください。普通に売買されている物件はアスベストの有無は書いてあるはずですが、そうじゃないこともあります。アスベストは見た目ではわからないので、調査してみないといけません。調査費用は3万円くらいのコストになります。

 

 

次→入門編⑦ 第5章「購入で失敗はできない…。これだけは注意すべきポイントまとめ」

 

北陸不動産投資支援会のYoutubeチャンネルもぜひご覧下さい!→http://bit.ly/2kbUqMc

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